SASの認定資格の話です。受験を考えられている方の一助になれば幸いです。
試験の位置づけや、詳細についてはSAS社のHPでご確認ください。受験方法や、受験できる試験の種類が結構増えたり、変わったりするので、最新の情報を参照いただければと思います。
いわゆるIT系のベンダー認定資格で、全国各地にあるテストセンターで、自分の好きな時間、好きな場所を予約して受験します。パソコンがあてがわれるので、そこでPC画面上にでる問題に解答していき、時間が切れるか、完了ボタンを押せば画面が切り替わってすぐに合否がわかります。
合格していれば、その後しばらくしてから米国SAS社からメールがきて、認定証のPDFと、合格者専用アカウントページの連絡がきます。
不合格だとその後1カ月は受験できませんが、それを過ぎればリトライ可能です。
合格すると米国SAS社のWebページに登録され、検索可能になります。ちなみに各国でどんな人がどんな資格を持っているのかすべてみることができるので楽しいです。
インドと中国でのSAS資格者の増加がすさまじく、将来にやや不安を感じます。
基本的に転職時の履歴書や、職務経歴書に資格として書け
本当にSASプログラミングできますよという証明に使います。
ほかに資格を得ることでの特権的なものはありません。
会社(多分海外)によっては、資格に対して給料上乗せとかもあるらしいですが、
身の回りでの実例は今のとこ知りません。
また、SAS絡みの部署であれば、世間的に存在ぐらいは認知されていますが
それほど古くからある資格ではないので(日本語で試験受けられるようになったのがSAS9からので)、会社によっては知らないかもしれません。
私は医薬系のSASプログラマーで、以下の3つの資格を持っています。
2013/9現在、6つの資格が日本でリリースされていて、うち3つはビジネスアナリティクス系のもので
私はさっぱりわからないです。
①SAS Base Programmer
目安として1年程度の経験者が受験となっていて
テスト範囲としては、
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生データファイルのインポートとエクスポート
データの加工と変換
SASデータセットの組み合わせ
SASプロシジャを使用した基本的な詳細レポートと要約レポートの作成
データエラー、構文エラー、論理エラーの識別と修正
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となっています。
要は基本的なデータステップなので、公式のテキストを読んで、しっかり勉強すれば
3か月くらいで受けてもいけると思います。
公式のテキストは日本語版がでています。
ただ、かなり業務経験のある方でも公式のテキストはあった方がいいかなぁと思います。
なぜかというと、テストの得点の比重として、プレーンのテキストデータを
inputステートメントで読み込む際の様々な指定の仕方が結構高頻度で出題されたり
proc printにつける様々なステートメントやオプションが聞かれたりします。
実業務で、平のテキストファイル、それも一筋縄でいかないような区切られ方をしているものを
読み込む処理をガンガン書かれている方や、proc printで出力物を作成されている方なら
問題ないと思うのですが、もしかしたらそういう方はそれほど多くないのではないでしょうか。
基本的な事柄であっても、使わないオプションやステートメントはどうしても知らないことが多いので
念のため公式テキストは購入されてた方がいいかと思います。
ちなみに僕は何も勉強せずに、SASを始めて半年で受験し、2点足りずに不合格し、
そこからテキストで2カ月勉強して余裕で合格しました。
ちなみにe-learningとして模擬問題50問にアクセスするアカウントを、
なかなかのお値段で売っていますので
念には念を入れたい方や、本番に弱い方は買われてもいいかと思います。
受験料が18900円とやっぱり高く、落ちると金銭的に嫌だったので僕は買いましたが
そのおかげで合格できたという感じはありませんでした。
模擬問題はSASテクニカルニュースの後ろにも、たまにちょぴっとついてます。
②SAS Advanced Programmer
確か目安は3年の経験だと、何かで見た覚えがあります。
ただ、これは結構甘くない試験です。
まず、2013/9現在、テキストは英語版しかありません。
出題範囲は以下です。
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高度なDATAステップ・プログラミングと効率化のテクニックを使用した問題解決
SAS SQLコードの記述と解釈
SASマクロ機能の作成と利用
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SQLとマクロに関しては、大した問題はでませんが、
あまり実務では使わないかなといったオプションや書き方がでるので
テキストがあるにこしたことはないです。
でもマクロもSQLも普通にかきますよという方には、多分なくても大丈夫です。
公式テキストは英語とはいえ、SQLとマクロについては、言葉がわかんなくても
例示コードを追ってけば、大筋を外すことはないとおもいます。
SQLとマクロを得点源にすべきです。
なぜかというと「高度なDATAステップ・プログラミングと効率化のテクニックを使用した
問題解決」分野が、なかなかにマニアックだからです。
たとえばCPUやハードディスクのスペックを意識して、処理効率をあげるために
バッファやページサイズをいじったりする問題がでてきます。
普段からビックデータと格闘されて、そのあたりを気にしてコード書かれている方で
あればもしかしたら楽勝なのかもしれませんが、メモリ消費なんて考えたこともありません系の
プログラマーにとっては、ほぼ知らないことなのできっついです。
しかも英語で、コンピューターのハードに関することをあれこれ書いてくるので
コードだけおっていても、これが何のメリットのある処理なのか本文を読まないとわかりません。
僕は1年半の経験で、テキストで3カ月勉強して、模擬問題(これもe-learningアカウントが売ってます)もやって受験し、なんとか一発で受かりました。
ただSQLとマクロの分野で90%以上正解したおかげで合格したといった感じで、
高度なDATAステップ・プログラミングについては5-6割程度しか正解していなかったと思います。
③SAS Clinical Trials Programmer
薬の臨床開発に特化した内容で、(米国FDAでの申請を主とした)規制要件やCDISC、統計解析の
ことも出題されますが、正直いって、医薬系でDM/STATとして半年以上SAS使われている方で
あれば、僕は何の用意もせずに受験しても大丈夫じゃなかなぁと思います。
統計解析といってもt検定を説明している以下の4つ分のうち、正しいのはどれかといったような問題で選択肢が、もう明らかにこれしかないでしょといった感じなので、会社の新入社員研修レベルの統計解析の知識でも大丈夫かなと思います。
テキストはなく、参考文献がいくつか挙げられていますが、業務経験がある方であれば
手持ちの知識と経験でとけるはずです。
僕はAdvanceの3カ月後に受けましたが、Advanceとの難易度の落差に拍子抜けしました。
以上は個人的な感想なので、正しいものとして受け取らないでください。
ただ、自分が受験するときに、あまりにも受験した人の声が少なくて、なんだか不安だったので
こういったことを書きました。
詳細に覚えているわけではありませんが、より詳しい話をお聞きになりたい方は
ご連絡いただければと思います。