SAS書籍紹介③_「SAS® 認定プロフェッショナルのための Base Programming for SAS® 9 完全ガイド」

  • 「SAS® 認定プロフェッショナルのための Base Programming for SAS® 9 完全ガイド」
  • ISBN: 978-4-87235-163-7
  • 出版元: SAS Institute Japan株式会社
  • サイズ:A4版
  • ページ数:784ページ
  • 価格: 18,900円(税込)
  • 日本語
  • ★SAS社ウェブサイトの「マニュアル」から購入可能
別にSAS社のまわしものではないのですが、この本はSASを基礎から覚える上で非常にいい本です(SAS社らしい価格設定や、日本語訳のイマイチさ、誤植の多さを差し引いたとしても)。


書名にあるように試験対策本なのですが、認定試験を受ける受けないに関わらず、教本として充分に使えます。(ちなみにSAS Advanceの試験対策本はまだ英語しかありません)

何がそんなにいいかというと、他の日本語の書籍はどうしても、実務的によく遭遇する処理を例として実践的なコードを中心に教える内容が多いかと思います(それはそれで大変いいことです)

ただ、ある程度、実践慣れして、そこそこSASが書けるようになった時、さらに上達する上でプログラミング言語としてのSASの基礎的な処理構造を理解しているかいないかが重要になってくると思います。

ひとつ例をあげるとするとPDV(プログラム・データベクトル)があります。DATAステップをサブミットするとコンパイルフェーズから実行フェーズまでが内部的に行われます。コンパイルフェーズで入力バッファが作成された後PDVが作成されます。PDVは1オブザベーション分のメモリ領域の論理的概念です。実行フェーズにおいてPDVがどのように変化していくかを知ることによって、よりSASの理解が深まります。

ただ、内部構造なんて理解してなくても、コードをかけばSASは動かせるわけで、いまさらそんな
教科書的なお勉強なんて必要ねーよと考えている人も多い気がします。

ある程度小賢しくなった人に対して、PDVをきちんと理解しろといっても、聞く耳もたないことが多いのでやはり最初に叩いておくべきだと思います。

この本はPDVについて、うんざりするほど教えてくれます。あとプレーンテキストをinputで@とかを駆使してうまく読み込む方法なんかも、普段あんまり使わないので、ちょっと知識が怪しいという方も多いと思いますが、この本のテキスト読み込みに割いているページ数は常軌を逸してます。

ちょっと自分は小賢しくなりすぎたと思う方は、いま一度、じっくり、データセットとは何か、平のテキストを読み込むにはどうしたらいいか、proc printの出力をカスタマイズするにはどうするか、暗黙の型変換とは何かなどを考えてみてもいいかもしれません。

ちなみにSAS BASEの試験では、そういうやらしいところをいっぱい聞いてくるので、思わず
「そんなこと知らなくても仕事できるわ!」って気持にはなります。

いつも以上の駄文になってしまったのでこの辺で。


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